不倫がどんな動機であれ、今後の方針が離婚であれ立て直しであれ、不倫された側としては、とてもとても傷ついていることと思います。心は大きなダメージを受けています。
骨折してすぐに治る人がいないように、心の傷もまた、考え方ひとつですぐに治るような魔法はありません。とても心苦しいのですが、少しでも癒しながら、ごまかしながら、回復しやすい状況を作りながら、時間をかけて前を向いていくしかありません。
ここに書かれていることが、その一助になれば幸いです。
不倫された痛みというのは、枝葉で言えばいろいろ分類できますが、簡単に大雑把に言えば「コケにされたこと」です。自分の価値を否定された痛み、無視されたりちっぽけに扱われた痛み、尊重されなかったり信頼を裏切られた痛み、です。不倫相手に負けた感じがする人もいることでしょう。それも含めて、お前は価値がない、お前は存在が小さい、という強烈なメッセージを受け取ったことが心の傷になっています。
自信を失います。怒りとして出ている人でも、怒りが沈静化すれば、自分に刺さります。前を向くのは容易ではありません。
不倫した夫(妻)のことを、我々は知りません。不倫した大馬鹿野郎だということ以外、何も知りません。でも、今まで、数万件という恋愛相談を受け取ってきましたから、不倫した人たちの気持ちもだいぶ知っているつもりです。
みんながみんなそうではありませんが、不倫した側は、たいがい、パートナーをコケにしたつもりなどありません。ただ目先の性欲に流された、ただ目の前の夫婦関係から逃げたかった、ズレを立て直すより向き合うより楽なほうにいってしまった、傷つけるかもしれないことは見ないようにしていた、後先をあまり考えていなかった。そんな人ばかりです。
「それがコケにしているということじゃないか」と思われるかもしれませんし、怒りが湧いてくるかもしれませんが、もう少し不倫した側の論理を言わせてください。不倫しておいて身勝手なのですが、不倫した側は、パートナーが傷ついてしまったら本当に嫌だな、コケにしたわけじゃないんだけどな、ただこっちの身勝手でそうしただけなんだけどな、そう思っています。全員がそういうわけでもないでしょうが、感謝していたり、結婚したときの気持ちや大切な気持ちはウソではない、と思っている人すらいます。離婚したいと言い出した人ですらも、関係の回復に諦めたから(もうダメだと思ってしまったから)であって、パートナーを大切に思う気持ちはある、ということが多々あります。
勝手ですし都合のいい話ですよね。我々も、不倫した側を許してはどうか、という目的で言っているわけではありません。そうではなくて、不倫した側はパートナーを無価値だと思うから不倫したとは限らない、そんなに自分や自分の歩んできた道のりを否定しないでほしい、そう言いたいのです。
すぐに前を向けないことは、よくよく分かっています。傷ついて何もかもやる気をなくしたり、絶望感に浸ることも、心のためには必要な時間です。
でも、少し時間が経って落ち着いてきたら、少しずつ前を向きましょう。あなたには、何か希望が必要です。希望を見つけるために、あなたに何があるかは分かりませんが、少しずつ人生を動かし始めましょう。人生は循環式です。何か一つ良いことがあれば、それが前向きさを少しだけ生み、それによってまた少し頑張れて、また少し良いことが起きるかもしれません。ですから、少しずつ、歩を進めましょう。
不倫という難題に心が折れて終わるのか、悪魔が(?)そうやって笑いながら見ています。不倫されたという事実、そういう過去は、もう変わりません。でも過去の意味は、未来の生き方で変わります。あの辛いことがあったから、こういう未来があったんだ、そう思えるような未来を創っていきましょう。そのときには、今のあなたの苦悩や奮闘が、きっと価値あるものに変わっていることでしょう。
少し前を向けるようになったら、痩せ我慢して、プライド高く生きましょう。あなたのこれからを、心より応援しています。
※このコンテンツは、読み流すだけで成長するサイト「恋愛の学校」の校長が作成しています。ぜひ恋愛の学校にもお越しください。相談すれば回答があるかも?